奥中章人(2003年度 卒業)

美術家

AO Institute of Arts(代表/キュレーター)

白藤学園奈良女子高等学校 (非常勤講師)

 

 

Q. 現在の職業と仕事内容を教えてください。

 

A. 巨大な立体物や空間を作り、老若男女を問わず非日常な世界を体感する場を全国各地に創出しています。抽象的には、人や物事などあらゆるものの間に潜む『動的な関係性と相互作用性』を主題にした美術作品を提案。公共の場所で展示される私の作品は、様々な人と意見を交わし場所や歴史と関わる中で生まれます。

他方では展覧会の監修を行い、地方地域での文化振興事業や国際交流事業に携わります。これら全ての経験は美術教育にも還元し、美術を学ぶ方に発信しております。
文化芸術を通じてあらゆる思想や問題と交錯する仕事です。

 

 

Q. 学生時代に印象に残っていることや力を入れて取り組んだことについて教えてください。

 

A. 様々な人の生き方や世界の捉え方を知り、そして奇跡的な偶然の重なりが、私を取り巻く世界を俯瞰的に見つめる機会を得ました事が学生時代の印象に残っています。

また力を入れて取り組んだことには作品制作と教育実習、そして学外での美術活動がございます。

歳相応に美術論や教育論にかぶれておりました故、最新の科学や哲学、もちろん猥雑な話なども交えつつ幾夜も友人らと語り明かしておりました。人間力の濃い先生方や、多彩な学友たち、静岡の美術家方との交遊は、今日に至る思想の種を蒔く土壌を耕していたと思えます。

 

 

Q. 高校生にメッセージをお願いします。

 

A. 全国から人が集まる国立の、様々な学部が混在する総合大学の、更に教育学部に在籍ともなれば、人種の坩堝に住むようなものだとご期待ください。多種多様な人との出会いは即ち多くの考え方や価値観、知識や趣向との出会いでもあります。私には静岡の歴史や風土、都市の特徴や大きさもこれを学ぶに良い場所でありました。

美術は人の可能性に触れ、またその是非を問う術だと考えます。それ故に惑う事も多々あるでしょうが、どうかご自身の直感を疑わず、真摯に取り組んでいただきたく激励の言葉を贈ります。広大なアートワールドでお逢いしましょう。